東京都行政書士会のご案内

会長挨拶

東京都行政書士会
会長 常住 豊

令和2年度事業計画について

令和2年度定時総会が、書面議決により、令和2年5月29日、上程したすべての議案について可決承認されました。代議員の皆様のご理解を賜り、厚く御礼申し上げます。

本総会は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止の観点から、書面議決とさせていただきました。会則にその規定はないものの、制限する法令・規定もないことから、東京都及び顧問弁護士とも協議をし、その手続きを進めてまいりました。形式面では、理事会議決により時限措置である「令和2年度における総会運営に関する特別措置規程」を設定しました。また、実質面では、総会代議員の方々に書面議決とすることの同意を求めました。その上で、議案を上程し、書面による議決を得ました。

今後とも、「そうだ、行政書士に相談しよう!」という気運を更に高めるために、努力をしていく所存です。そのためにも、次に述べる令和2年度事業計画に基づき、会務に勤しんでまいりますので、益々のご支援ご協力の程をよろしくお願い申し上げます。

令和2年度事業計画

1 活動理念

"そうだ、行政書士に相談しよう!" という気運を高めよう !!

地域住民の方々にとって、行政書士が生活圏にいる、まさに身近な良き相談相手として、地域に必要不可欠で有益な国家資格者としての位置づけを確固たるものにします。

行政書士に相談することが都内標準となるように努力します。

2 基本方針

"3つの共生" を掲げて、地域住民に愛され、期待される活動を充実させます。

1)地域との共生

支部とのより一層の連携を図り、支部活動の活性化をとおして、地域密着型・中小企業支援型の活動を展開します。地域・中小企業にとって、なくてはならない存在になることを目指します。

  1. 地域金融機関などの経済団体との信頼関係を確立し、許認可申請の連携を目指します。
  2. 自治会・町会などの地域関係団体との連携を図るべく、地域活動に参加し、地域の役員を積極的に引き受け、近隣の方々の悩み相談を担当し、地域の相談役を目指します。
  3. 法教育をとおして、地域単位の行政書士によるリーガルサービスを受けられる制度(行政書士版校医制度)の確立を目指すとともに、若年層をはじめ一般市民の法理解の拡大をもって地域貢献を行います。
  4. 空家対策及び災害復興支援活動をとおして、役所と連携しつつ、地域貢献を行います。
  5. 島嶼部、多摩地域への支援を行います。その結果として、暮らしと事業の相談を繰り返し受けることになり、業務が継続して受任できることになると期待できます。
2)役所との共生

市区町村役場、都庁、総務省のみならず、法務省などの各省庁、裁判所をも視野に入れた活動を展開します。

  1. 役所に対し、窓口において行政書士証票・会員証、あるいは補助者証の確認がされるように要請し、業務侵害を防ぐとともに行政事務の円滑な処理推進に貢献します。
  2. 法教育の質の向上と地域的拡がりをもって、国民各位の法理解向上に貢献します。
  3. 国及び地方公共団体の委員や各種審議会委員等の推薦と輩出をとおして、行政機関との協力関係を構築します。
  4. 行政書士ADRセンター東京が用いている対話促進型紛争解決手法を修得した、行政書士出身の調停委員・司法委員などを多く輩出することにより、司法制度の担い手としての地位を高めます。
  5. 行政書士に関する制度及び業務等について政策提言します。
  6. デジタル・ガバメントへの対応を推進します。
3)他士業者との共生

他士業者との信頼関係を深め、連携して依頼者の利益にかなうワンストップサービスの提供ができるシステムを構築します。

  1. 行政書士会と他士業団体が相互に協力していく仕組みをつくります。
  2. 業務・学術に関する知識の修得と人間性の修養が図れる研修制度を確立します。

社会貢献活動をとおして、多文化との共生を目指します。東京2020オリンピック・パラリンピック開催に向けて協力します。また、組織改革を図り、新会館取得を目指します。

3 活動内容

各部、各センター、各委員会の事業計画のとおりです。

令和2年度も、昨年度に引き続き、活動理念として「"そうだ、行政書士に相談しよう!"という気運を高めよう!!」とさせていただきました。一般市民や中小企業者の中には、問題や悩みを抱えていても、どこに誰に相談すればいいかわからないという方も、まだまだいらっしゃいます。私たち行政書士は、これらの方の人生や事業を成功に導いていかなければなりません。

そこで、私たち行政書士は、リーガルサービスの町医者となり、総合医となって、これらの方の負託に応えていく使命があると考えます。そして、課題解決にあたっては、専門医として活躍していかなければなりません。

そのためには、会員一人ひとりが、"業務の確立した行政書士"、"勝ち残る行政書士"になることが重要です。許認可申請に代表される行政手続を身に付けるとともに、一般市民からのニーズの高い相続などの市民法務の分野についてもスキルアップする必要があると考えます。また、行政不服申立て手続きに関する代理権が付与された特定行政書士制度も生かしていかなければなりません。

この活動理念を受けて、基本方針として、本年度は、「"3つの共生"を掲げて、地域住民に愛され、期待される活動を充実させます。」としました。"3つの共生"とは、地域との共生、役所との共生、他士業者との共生です。また、社会貢献活動をとおして、多文化との共生を目指します。東京2020オリンピック・パラリンピック開催に向けて協力します。行政書士制度が地域に根付くようにするために、本年度も地域密着型・中小企業支援型の活動を展開していく所存です。

この基本方針を受けて、各部、各センター、各委員会は、連携して、それぞれの事業計画を遂行します。以下、令和2年度の事業計画の概要を述べます。

1 地域との共生
(1) 地域金融機関などの経済団体との連携

日本政策金融公庫・東京信用保証協会をはじめ、信用金庫・信用組合などの地域金融機関との連携を図り、金融機関が抱えている取引先の会社設立、許認可申請、相続、成年後見などの案件の課題解決に協力します。これにより、業務の囲い込みが実現でき、地域における中小企業支援に資するようにします。
特に、日本政策金融公庫利用や制度融資利用にあたっての信用保証協会利用において、許認可保有は必要な要件であることから、特に許認可申請における連携を目指します。
また、商工会議所など、地域における経済団体との連携を目指します。

(2) 自治会・町会などの地域関係団体との連携

地域における様々な相談事は、自治会長、町会長のところに寄せられていることが多くあります。そこで、市区町村役場の協力を得ながら、自治会長、町会長のところに寄せられている相談について、行政書士が協力していくシステムの構築を図りたいと考えます。また、行政書士自身が地域活動に参加し、地域の役員を積極的に引き受けるように呼びかけ、地域の相談役を目指します。
地域には、この他に商店会、シニア(老人)クラブ、PTAなど、さまざまな地域関係団体があります。各支部及び会員一人ひとりが、これらの地域関係団体に関わることを推進します。
これにより、行政書士が地域にとって不可欠な存在となり、かつ業務の確立につながることが期待できます。

(3) 法教育の推進

本年度も法教育の推進を積極的に進めてまいります。法教育は、次代を担う世代への貢献活動であり、発達段階に応じて指導案を作成し、法の規範意識を醸成していきます。また、キャリア教育としても機能しており、将来行政書士を目指すきっかけ作りにもしていきます。
小中学校を中心に展開しておりますが、高等学校、大学などにも拡げていきたいと考えます。また、図書館とも連携し、一般市民に向けた法情報提供としての法教育実践も目指します。
なお、本年度も、立正大学法学部において、行政書士業務について後期に単位認定授業を行うことが予定されています。
法教育をとおして、地域に密着した公立小中学校単位において、一般市民が行政書士による暮らしと事業の相談が受けられる、言い換えればリーガルサービスを受けられる制度(行政書士版校医制度)の確立を目指します。

(4) 空家対策・災害復興支援活動の推進

空家対策は、地域に根差した問題といえます。様々な専門家と協働して解決しなければなりません。そこで、行政書士の特性である総合力を生かして、各専門家の連携を取るための中枢としての機能を発揮できるようなシステムの提案をしていく所存です。
3年連続で本年度も、令和2年度東京都空き家利活用等普及啓発・相談事業の事業者に引き続き採択されましたので、東京都全域においてセミナー・フォーラムと個別相談会の開催をしてまいります。
市区町村と地元支部が連携して推進していけるように、支援をしてまいります。
また、甚大な災害に備えて、災害復興支援活動に勤しめるように準備をするとともに、有事のときには機動的に活動します。更には、現在蔓延している新型コロナウイルス対策についての生活支援・事業支援の公共施策において、協力をしてまいります。

(5) 島嶼部、多摩地域への支援

リーガルサービスにアクセスしづらい地域である島嶼部、多摩地域の特に山間部への支援を行います。あらゆる人々が、あまねくリーガルサービスを受けられるように努めてまいります。所轄支部と協力をしながら、この地域への支援をしてまいります。具体的には、無料相談会の開催、市民向けセミナーの開催、法教育の実施、空家対策などに取り組んでいく所存です。

2 役所との共生
(1) 非行政書士の排除

行政書士業務への侵害を防ぐため、非行政書士の排除に努めます。許認可申請を受け付ける役所の担当部署に対し、窓口において行政書士証票・会員証、あるいは補助者証の確認がされるように要請します。
また、行政書士以外の者が業として許認可申請などの行政手続ができないことを明示したプレートについて、数多くの役所窓口に設置してもらえるように働きかけます。そして、行政事務の円滑な処理推進に貢献するように努力します。

(2) 法教育を生かした活動

現在、行政書士が提供する法教育は、各市区町村教育委員会、東京都教育庁、文部科学省、法務省、厚生労働省から、高い評価を得ているとともに、期待を寄せられています。
行政書士が法律隣接職としての地位を確固たるものにするためにも、法教育の質の向上と地域的拡がりをもって、所管庁の総務省のみならず法務省へもアピールしたいと考えます。
そして、国民各位の法理解向上に貢献するように努力します。

(3) 国及び地方公共団体の委員や各種審議会委員等の推薦と輩出

各種委員(保護司、人権擁護委員、行政相談委員、民生委員など)の推薦と輩出を行います。このことにより、行政書士が地域に根付いていく一助になると考えられます。また、行政機関との協力関係を構築することにもつながると考えられます。

(4) 調停委員・司法委員の輩出

我が国の国民感情とすれば、紛争解決の手法としては、裁判を回避したいと考える方々が多いでしょう。行政書士ADRセンター東京が用いている対話促進型紛争解決手法は、まさに国民感情にフィットした方法であるといえます。
そこで、対話促進型紛争解決手法を修得した、行政書士出身の調停委員・司法委員を多く輩出することにより、当事者の心理的満足は向上すると考えられます。
そうなれば、合意を形成する専門家としての行政書士の地位は向上し、裁判所における調停への国民からの支持も高まると期待できます。また、成年後見においても、裁判所からの行政書士への信頼は高まるでしょう。このことにより、裁判所へもアピールしたいと考えます。そして、司法制度の担い手としての地位を高めたいと考えます。

(5) 政策の提言

全部門が連携して、建設的な政策提言をしていきたいと考えます。
国や地方公共団体にとっても、国民にとっても、かつ私たち行政書士にとっても、より良い建設的な政策を提言していきます。そのような地道な努力が、法改正のときに影響力のある立場につながると考えます。
また、行政書士業務に関するパブリックコメントに対しても、積極的に意見を申し述べてまいります。

(6) デジタル・ガバメントへの対応

政府はデジタル・ガバメントを目指しています。行政書士業務にも大きな影響があることが予想されることから、積極的にその対応を図ってまいります。

3 他士業者との共生
(1) 他士業団体との協力

会員一人ひとりが業務を確立するために、他士業者と連携し関与先を囲い込むことを目指します。また、依頼者からすれば、他士業者と連携して、ワンストップで問題が解決できることは、利便性が向上することになります。
そこで、他士業団体との交流を深めてまいります。すでに東京公証人会、東京司法書士会、東京税理士会、公益社団法人東京都不動産鑑定士協会との連絡協議会は開催されており、本年度も開催いたします。なお、公益社団法人東京都不動産鑑定士協会、東京都土地家屋調査士会、東京都マンション管理士会とは、友好協定を締結しており、共同した活動をしてまいります。
東京弁護士会、第一東京弁護士会、第二東京弁護士会、東京都社会保険労務士会、公益社団法人東京都宅地建物取引業協会、公益社団法人全日本不動産協会東京都本部をはじめその他の士業団体との間でも、意見交換会を開催するなどしていく所存です。
そのことにより、行政書士業務への理解を深めてもらうとともに、行政書士会への信頼性を高めてもらえるように努力してまいります。

(2) 研修の実施

最近、依頼者からの依頼案件は、複雑かつ多様化しています。依頼者のニーズに応えるためには、他士業者との連携を要求される場面が増えています。他士業者と連携し、依頼者から信頼を得るには、高度な専門的能力と深い人間性を養成しなければならないと考えます。
そこで、幅広くかつ深い業務及び学術に関する知識の修得と人間性の修養が図れる研修を実施します。現業部が主催する研修及び研修センターが主催する研修などをとおして、この目標が達成できるように努力してまいります。
また、特定行政書士の業務を実効性あるものにするための研修にも力を入れてまいります。
新入会員や若年会員が業務を確立できるようにするために、本年度も事務所見学会、インターンシップを実施してまいります。

4 中長期展望
(1) 東京2020オリンピック・パラリンピック開催に向けて

来年度に延期された東京2020オリンピック・パラリンピックにおけるボランティアなどの活動に向けて、本年度も東京マラソンにおいて多言語対応のボランティアを輩出します。このことをとおして、行政書士の国際業務、なかんずく入管業務をアピールしたいと考えます。
そして、国際化社会において、多文化との共生を目指してまいります。

(2) 国際交流

国際化社会に対応し、我が国の行政書士制度を他国へ発信するためにも、国際交流を検討し推進してまいります。

(3) 組織改革

現状の機関決定においては、正副会長会、部長会、支部長会、理事会と4つの機関を経ることになっています。会議体を合同で開催するなどして、会議のスリム化を図りたいと考えます。
また、組織改革について、継続して検討を行ってまいります。

(4) 新会館取得に向けて

現在の行政書士会館では、研修会の収容人数に限度があるなど、会員が利用するに際し不便が生じています。このような事情から、新会館の取得は望まれているところです。東京会で会館の全部持分を所有するに至ったことから、新会館取得に向けて機動的に動いてまいります。
引き続き、新会館取得推進委員会が中心となり、①現会館を建て替える案、②新たな場所で新会館を賃借する案、③中古物件を購入し、改装して新会館を取得する案、④新たな場所で新築して新会館を取得する案について、具体的に検討してまいります。その上で、より良い新会館取得を目指します。

5 その他

以上の項目も含め、次の諸課題について、積極的に取り組んでいく所存です。

(1) 業務に資する諸課題
  1. 許認可申請の拡充と現地調査の立会権の確立(運輸交通部・建設宅建環境部・生活安全・保健衛生部)
  2. 知的資産経営報告書を義務づけた融資制度の創設(知的財産・経営会計部)
  3. 特定行政書士の研究と活用(特定行政書士特別委員会)
  4. 業務のできる人材の育成(インターンシップの実施など)(企画開発部)
  5. 登録時研修のさらなる充実(総務部・研修センター)
  6. 許認可申請など法改正時における役所と連携したタイムリーな研修の実施(運輸交通部・建設宅建環境部・生活安全・保健衛生部・知的財産・経営会計部・国際部)
  7. 市民法務分野における要件事実と事実認定の修得のための研修の実施(市民法務部)
  8. 空家対策の研究と対応(空家対策特別委員会)
(2) 会務における諸課題
  1. 支部活動の充実(東京都行政書士会からの助成金の給付、人材派遣など)(総務部)
  2. 会議のスリム化(総務部)
  3. 新会館取得の推進(新会館取得推進委員会)
  4. ADR技法(対話促進型紛争解決手法)を生かした活動の展開(各支部に対する相談技法の伝授、学校問題などの場面における技法の提供など)(行政書士ADRセンター東京)
  5. 法教育の推進(法教育推進特別委員会)
  6. ヒルフェの活用による成年後見専門職団体としての地位確立(市民法務部・公益社団法人成年後見支援センターヒルフェ)
  7. 東京2020オリンピック・パラリンピックボランティア団の結成(総務部)
  8. 国際交流の検討(総務部)
  9. 権利擁護活動の推進(権利擁護推進委員会)
  10. 企業内相談会の開催(市民相談センター)
  11. 事務局職員に対する研修の実施(総務部)
  12. 事務局機能の見直しと充実(総務部)
(3) 将来ビジョンの諸課題
  1. 有為な人材を活用するシンクタンクの設置(総務部・企画開発部)
  2. 中長期ビジョンの設定(総務部・企画開発部)
  3. 新規業務の研究と開拓(企画開発部)
  4. 政策の提言(全部門)

以上

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